菅野の芸能

筒川祭(神楽奉納)

伊根町の筒川地区、「菅野」で行われる神楽は、1665年に但馬地方から婿に来た人物が、造り酒屋をはじめるに当たり、水の確保に井戸掘職人を呼び、屋敷の周りに井戸を掘らせ、その井戸掘り職人が尾張の国に伝わる「神楽」を村の若い人に教えたのが始まりと伝えられています。

菅野の神楽は、曲がたくさんあり、12の曲と舞が奉納され、中でも12番目の和唐内は、獅子を生け捕りを演じ、迫力のある立ち回りが見もので、京都府の民族無形文化財に指定されています。

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午前9時。小さな山車を引いて公民館を出発。

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集落内を少し練り歩き、上山神社の参道を駆け上がる。

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山車が参道の正面を向くと、獅子は岡崎という舞をしながら、棒振り、小太刀、大太刀は「縄手」といわれる舞をしながら参道を登ります。

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重い獅子荷は4人ががりで石段を登ります。
昔は、神社発で5か所ぐらいで神楽を舞ったそうで、「ご神体」と神楽に必要な荷物を運んだのかもしれません。

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最後に山車が鳥居下石段に架けた木橋を登ります。

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一番最初の神楽、その名も「神楽」です。
五平と鈴を持ち、4隅を踏みしめます。よそのお祭りでも「五平」「鈴」という舞としてよくあるようです。
以下、順不同です。

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剣の舞
この写真は後半部分で、獅子頭とあと担ぎ(うしろ足に当たる舞手)の手の位置が変則で、かけ声とともに剣を振ります。このタイミングがむつかしい。

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お染の舞
傘ととお扇を持つ手が常に動いています。優雅にしなやかに。舞の最中は笛吹きさんを中心に唄が入ります。唄の歌詞は「曾根崎心中」と思われます。

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玉の舞1
すがの村では、玉の舞、花の舞、法螺の舞が3兄弟のように言われます。
おそらく最初に伝承となった神楽ではないかと思います。
いずれも、獅子頭の動きと笛の根、太鼓との三位一体となった複雑で難しいい神楽です。

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玉の舞2
全体としてゆっくりした舞ですが、この写真は後半の動きが激しくなる瞬間です。
前後の舞い手の足がタイミングよく上がります。

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天狗の舞
5~6歳で習いはじめ、小学1,2年生のときから舞はじめまます。ほとんどの時間を片足で跳び続ける舞です。足元に注意してみてください。

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法螺の舞
三兄弟の一つ。獅子頭の動きに注目してほしいい舞です。
囃子に合わせて小さく、大きく獅子が〈噛む〉瞬間にも注目です。

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玉の舞
三兄弟の一つ。後半の花を咥えての大きな舞は見ものです。
三兄弟の舞は、いずれも後半大きな動きがありますが、あと担ぎは獅子頭についていくのが大変です。これも注目してほしいところです。

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両剣の舞
獅子頭を頭にかぶり舞う神楽は、前述の「神楽」とこの舞だけで、どんなふうに被っていいるのか想像してください。大変らしいです。

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お亀女郎の舞
縁起は何でしょうか。滑稽踊りにもあり、地鎮の舞の説もあり、だれか教えてください。
すがの神楽ではセリフのある舞の1つ。
「もう、しもて、とこ入り しょうではないかいの。ごじゃれごじゃれ・・・」

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和唐内
和唐内が獅子を生捕る舞い。
全国に虎退治の神楽や、演目としてあるようですが、獅子との対決は珍しいようです。
近畿東海地方に多く、遠くは陸前高田市にも。
早変わり、セリフの中身にも注目を。
パンフレットにセリフを記載しています。

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棒振り
7,8歳までの男の子が担当するのが本来ですが、過疎には勝てず平成になり女の子に協力してもらっています。
現在は太刀振りにも参加しています。

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小太刀
勇壮に二人の舞い手が切りあいます。

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太刀振り1
大太刀を基本的に二人一対で、1振りと呼びます。7振りで14人で舞いたいところです。
平成26年は12歳から53歳まで14人が舞いました。
写真は2010年で7振り14人です。

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太刀振り2
静かな太刀振りで、止まることが大事な太刀です。
伊根町内に太刀振りのある地域は他にもありますが、いずれも激しい動きがおおく、対照的です。